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電子カルテを導入するにはどうしたらいい?流れやスケジュール、費用を解説

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電子カルテを導入したくとも、「具体的に何をしたらよいのか」「どの程度の時間や費用がかかるのか」などわからないことが多く、苦労している診療所も多いのではないでしょうか。電子カルテは大変便利ですが、同時に計画的に導入を行わなければ通常業務に影響が及んでしまいます。

この記事では、電子カルテを導入する流れやスケジュール、費用などについて解説します。

電子カルテ導入のメリット

電子カルテを導入することには、主に以下のようなメリットが挙げられます。

メリット1:患者の医療情報の管理やスタッフ間での共有がしやすくなる
メリット2:業務が効率化できる
メリット3:データの保存に場所を取らない

医療業界でもICTの活用が進んでいるため、医療機関の運営を続けていく以上、電子カルテの導入は必要不可欠です。ただし、導入する際は、電子カルテにはデメリットもあることを理解し、有事の際でも対応できるようにあらかじめ対策しておく必要があります。

電子カルテのメリットとデメリットについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
電子カルテを導入するメリットとは?在宅医療でも活用できる理由もあわせて解説

電子カルテ導入の流れ

電子カルテの導入は、具体的にどのような手順で進めていけば良いのでしょうか。ここでは、一般的な電子カルテ導入の流れについて解説します。

1.導入する電子カルテシステムを選ぶ

まずは、どの電子カルテシステムを導入するかを選定します。近年は数多くのシステムが提供されていますが、実際に使用した際に後悔しないため、時間がかかっても慎重に吟味する必要があります。

電子カルテシステムを選ぶ際は、「クラウド型とオンプレミス型のどちらにするか」「必要とする機能はあるか」「使い方が分かりやすかったり、カスタマーサポートが充実したりしているか」などを意識しながら選びます。実際に使ってみなければ分からないことも多いため、お試し利用ができるものであれば、積極的に試すようにしましょう。

2.システムに希望する要件を確認する

導入する電子カルテシステムが決まったら、提供元の企業と打ち合わせをします。その場では、自身の診療所で必要としている要望について明確に伝えることが重要です。

クラウド型の場合、利用者側で自由にカスタマイズすることは難しいですが、導入前に希望を伝えることで、企業側である程度調整してもらえる場合があります。オンプレミス型であれば、どのようにしたら希望する設定にできるのか、具体的な手順をレクチャーしてもらえるかもしれません。 いずれにせよ、システムの提供元にきちんと意思表示しておくようにしましょう。

3.電子カルテの操作方法を習得した後、試験運用を行う

電子カルテシステムを提供する企業との打ち合わせと設定が済んだら、医師やスタッフがシステムの使い方を学んでいきます。レクチャーの方法については、研修会を開いて教えてくれたり、オンラインコンテンツで学べたりと、各システムによってさまざまです。

システムに触れる可能性がある人すべてが操作方法をマスターしたところで、期間を決めて試験運用を行います。実際に使って初めて気づく課題もあるため、それをどうやって解決するかも試行錯誤していきます。試験運用を行なうことで、習得した操作方法がしっかり身につくため、本格運用をスタートした後のトラブルを減らすことができるでしょう。

4.本格的な稼働をスタートさせる

試験運用を無事クリアしたら、いよいよ本格的に電子カルテシステムを稼働させましょう。試験運用の間に操作方法を身につけたとしても、実際に通常業務と並行しての運用となると想定とは異なる可能性もあります。診療時間内に必要な作業を終えられるよう、システムの効率的な使い方を常に追求し、医師やスタッフ間で周知を徹底していきましょう。

5.電子カルテと併用しながらデータを入力する

診療所の中には、これまでは紙カルテを使っていたが、今後は電子カルテに移行したいと考えているところもあるでしょう。その場合には、電子カルテシステムの導入が済んで本格稼働がスタートしたら、紙カルテの情報をデータ化する作業が発生します。電子カルテにデータを入力する作業は労力と時間がかかるため、カルテに優先順位をつけて少しずつ進めていくことがポイントです。

紙カルテから電子カルテへの移行についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
電子カルテとは?概要や導入するメリット、移行手順をわかりやすく解説

電子カルテ導入の大まかなスケジュール

電子カルテ導入の大まかなスケジュールは以下の通りです。なお、以下のスケジュールは新しく開院する病院や診療所のケースを想定しています。

  1. 導入する電子カルテシステムを選ぶ(開業8~6ヶ月前)
  2. システムに希望する要件を確認する(2ヶ月前)
  3. 電子カルテの操作方法を習得(2~1ヶ月前)
  4. 試験運用を行う(1週間前)
  5. 本格的な稼働をスタートさせる(開業当日)

上記のスケジュールはあくまでも目安のため、自分たちの都合に合わせて逆算するようにしてください。

電子カルテ導入にかかる費用

電子カルテを導入する際は、初期費用や運用コストなどがかかります。コストがネックとなって、電子カルテの導入を躊躇っている病院も多いでしょう。ここでは、電子カルテの導入にかかる費用の目安や、コスト負担を軽減できる補助金や診療報酬の加算の有無について解説します。

電子カルテ導入にかかる費用の目安

一口に「電子カルテ」といっても、近年はさまざまな種類があり、価格も無料のものから1,000万円を超えるものまで幅広く提供されています。

まずは、クラウド型とオンプレミス型のどちらを選ぶかで、初期費用の金額は大きく変わってきます。
クラウド型であれば、自身の診療所でサーバーや専用機器を用意する必要がないため、初期費用を抑えられます。かかる費用は定期的に発生するシステムの運用コストで、金額も月に数万円程度が一般的です。

一方、オンプレミス型ではサーバーや専用機器の購入代やレンタル代がかかるため、初期費用が高額になる可能性が高いです。目安としては、300~500万円程度かかります。さらに、システムのアップデートや保守など定期的に数万円程度のランニングコストがかかります。

電子カルテ導入に対する補助金はある?

電子カルテを導入する際は、クラウド型であってもある程度のコストがかかります。それを気にして電子カルテの導入に至らない診療所も多いため、政府はコスト面に対してさまざまな施策を行っています。ここでは、補助金について解説します。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者などが業務にITツールを導入する際、かかる経費の一部を補助する制度です。申請して採択されれば、ITツールの購入費用の半分(最大450万円)が支給されます。

中小企業や小規模事業者が対象であるため、病院ではなく診療所向きの補助金といえます。審査があるため、申請したからといって必ず補助金を受け取れるわけではありませんが、まとまった金額が補助されるため、電子カルテの導入を検討している場合は申請を検討してみてはいかがでしょうか。

電子カルテの導入には費用がかかりますが、補助金や加算を適切に申請することで、費用を抑えられる場合があります。自身の病院や診療所が条件に合っているかを、ぜひ確認してください。

電子カルテを計画的に導入して医療の質を向上させよう

医療業界だけでなく各業種でICTの活用は進んでいます。ICTの活用には多くのメリットがあるため、電子カルテの導入は今後さらに必要不可欠となっていくでしょう。ただし、電子カルテを導入すると決めた場合には、具体的な流れやスケジュール、かかる費用の目安や安くできる手段などの情報を把握し、計画的に実行することをおすすめします。

「わざわざ高いお金や労力をかけてまで、電子カルテを導入する必要はない」と、考えている診療所もあるかもしれません。しかし、電子カルテ導入のメリットを享受することで、日々の業務効率は良くなるはずです。それは長い目でみれば、導入にかけたコストを回収できるだけのリターンと言えるでしょう。

業務を効率化させて時間的な余裕をつくり、患者にかける時間や医療について学ぶ時間を増やすためにも、ぜひ電子カルテの導入を検討しましょう。

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