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クラウド型電子カルテとは?オンプレミス型との違いや、導入のメリット・デメリットを解説

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電子カルテには、大きく分けて「クラウド型」と「オンプレミス型」の2つがあります。このうち、クラウド型電子カルテとはどのようなもので、導入するとどのような効果を期待できるのでしょうか。

この記事では、クラウド型電子カルテの概要や導入するメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

クラウド型電子カルテとは

ここでは、電子カルテとは何なのか、そのうちのクラウド型電子カルテにはどういう特徴があるのかを説明します。

そもそも電子カルテとは

電子カルテとは、カルテに記載された情報を電子化して保存したものです。電子カルテは「クラウド型」と「オンプレミス型」の2つに大別できます。

クラウド型電子カルテの特徴

クラウド型電子カルテとは、クラウド上のサーバーを利用する電子カルテのことです。院内にサーバーを置く必要がないため導入しやすく、新規に導入している電子カルテの主流になっています。

オンプレミス型電子カルテとの違い

オンプレミス型電子カルテは、病院やクリニック内にサーバーや専用機器を設置して運用する電子カルテです。カスタマイズが自由にできる点やセキュリティが高い点にメリットがありますが、クラウド型電子カルテの方がサーバーの保守やメンテナンスも基本的には提供元が行うため、導入・運用にかかる労力を抑えられます。また、サーバー設置の必要がないため導入コストも抑えることができます。

電子カルテの概要について詳細が知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
電子カルテとは?概要や導入するメリット、移行手順をわかりやすく解説

クラウド型電子カルテを導入するメリット

ここでは、電子カルテのうち、クラウド型を導入する際のメリットを4つ紹介します。

新たなサーバーが不要なため導入コストが低い

クラウド型電子カルテでは、インターネット回線を通じて提供されるシステムを利用するため、サーバーを購入あるいはレンタルして院内に設置する必要がありません。そのため、電子カルテの導入にかかる初期費用が安く済みます。

サーバーの管理も提供元が行うので、更新やメンテナンスが必要になっても、オンプレミス型のように病院や診療所側で作業することはありません。さまた、サーバーは故障や経年劣化での買い替えが必要になる可能性がありますが、クラウドであればそもそも専用サーバーは不要なので買い替えコストは発生しません。

このように、運用する上で日々の電子カルテの情報管理のみに注力できるのは、クラウド型の大きなメリットといえます。

ネット環境があればどこでも利用できる

クラウド型電子カルテは、ネット環境とデバイスがあればいつでもどこでも利用できます。

オンプレミス型の場合は、基本的にサーバーを置いてある院内でしか電子カルテを使った作業ができません。しかし、クラウド型であれば、自宅のデバイスからアクセスして電子カルテの情報を確認したり、診療報酬請求明細書(レセプト)の準備をしたりすることが可能です。

バックアップシステムでデータ消失を防げる

クラウド型電子カルテの場合、入力したデータはクラウドサービスのデータセンターにあるサーバーに保存されます。データセンターは地震や火災、停電にも強い立地や構造となっており、安全にデータが守られており、定期的にバックアップも取得しています。そのため、大規模な自然災害などが起こって病院や診療所が大きなダメージを受けても、クラウドサービス側のデータセンターにデータが残るため、消失する事態にはなりません。これがオンプレミス型だと、院内にあるサーバーが破損して、中のデータも消失してしまう可能性が高いでしょう。

日本のように自然災害の多い国では、いざという時のための備えが必要不可欠です。電子カルテのデータがしっかりと残っていれば、早いスピードで診療を再開することができるでしょう。このように、有事の際の備えとして、クラウド型電子カルテを導入する病院や診療所が増えています。

Webサービスとの連携がしやすい

ネット環境とデバイスがあれば利用できるクラウド型電子カルテを活用することで、さまざまなWebサービスとの連携が取りやすくなります。

近年は医療業界もIT化が進んでおり、診療予約をWebで受け付けたり、オンラインで診察を行なったりといったことが当たり前になってきています。ネット上のサービスを利用するクラウド型電子カルテであれば、これらのWebサービスと連携して業務の効率化を図ることが可能です。

そのほか、クラウド型電子カルテの文書機能を活用することで、薬剤師やケアマネジャーや介護支援専門医への情報共有のための文書の発行も効率化することが可能です。各分野の担当者との連携がスムーズになれば、患者の満足度も上がるでしょう。

クラウド型電子カルテを導入するデメリット

クラウド型電子カルテを導入するのであれば、メリットだけでなくデメリットも把握しておく必要があります。ここでは、クラウド型電子カルテのデメリットを3つ紹介します。

ネット接続しないと使えない

クラウド型電子カルテは、ネット接続していなければ使用できません。そのため、トラブルが起きてオフライン状態になると、電子カルテを閲覧したり、更新したりする作業が一切できなくなります。また、ネット接続が不安定になった場合もスムーズな作業は難しくなるでしょう。

インターネット上のトラブルはいつ起こるかわからないため、オフライン状態になった場合でも電子カルテを作動できるよう、対策しておく必要があります。
例えば、普段接続しているネット回線以外に、モバイルWi-Fi等の別回線を用意したり、サーバーで自動的に行われるバックアップとは別に、院内のパソコンにオフラインでも見られる状態(PDFなど)でデータを保存したりしておくことがおすすめです。

運用コストが発生する

クラウド型電子カルテは、オンプレミス型と比べて導入の初期費用は抑えられますが、使用するための運用コストは定期的に発生します。サーバーの利用料という形で、毎月費用を支払う場合が多いでしょう。

オンプレミス型も運用コストはかかりますが、サーバーを自身の病院や診療所で設置していることから、クラウド型より毎月支払う金額は少ない傾向にあります。そのため、長い目で見ると、クラウド型の方がオンプレミス型よりコストがかかってしまうケースもあるのです。

カスタマイズしにくい

クラウド型電子カルテは、固定化されたシステムやサービスを提供されている形式であるため、自身の病院や診療所で使いやすいようにカスタマイズすることは難しいでしょう。
オンプレミス型であれば、カスタマイズの自由度が高く、クリニックや診療科に合わせたシステム構築することができますが、クラウド型の場合は利用者側がシステムに慣れるほかありません。
そのため、クラウド型電子カルテを導入すると決めた場合は、事前に使い勝手について慎重に確認し、利用するスタッフの負担をできるだけ減らすようにしましょう。

このように、クラウド型電子カルテには、オフライン時に使えないことやカスタマイズ性といった機能面でのデメリットが目立ちます。

クラウド型電子カルテと相性の良い医療機関

クラウド型電子カルテにはメリットもデメリットもあるため、どんな医療機関とも相性が良いわけではありません。クラウド型電子カルテのメリットを感じやすい医療機関の例として、以下の特徴をもつ機関が挙げられます。

・複数の医師が勤めている医療機関
・シフト制を導入している医療機関
・在宅医療や訪問診療を行っている医療機関

複数の医師が勤めていたり、シフト制で曜日や時間帯によって医師が交代したりする医療機関では、医師同士の情報共有が必要不可欠です。そのためには、ネット接続さえできれば利用できるクラウド型のほうが使いやすいでしょう。

また、在宅医療や訪問診療を行っていて医師が院外へ出ることの多い医療機関も、患者の情報の確認やほかの職種の人たちとの連携のしやすさという点から、クラウド型のほうがおすすめです。 きりんカルテでは、クラウド型の導入事例が多数ございます。こちらも併せてご確認くださいませ。
きりんカルテ導入事例を読む

クラウド型電子カルテの導入前に相性の確認が必要

クラウド型電子カルテとは、インターネット回線を通じて提供されるシステムを利用する電子カルテのことです。

クラウド型電子カルテには、主に導入時の費用や連携のしやすさなどのメリットがある一方で、オフライン時に使えないことやカスタマイズ性といった機能面でのデメリットもあります。

とはいえ、クラウド型の特徴にあった医療機関であれば、紙カルテやオンプレミス型より、クラウド型電子カルテのほうがメリットは大きくなります。電子カルテの導入を検討しているのであれば、自身の病院や診療所との相性を確認したうえで、クラウド型・オンプレミス型のどちらにするかを判断しましょう。

電子カルテの導入メリットやポイントを解説!

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