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好スタートのカギは良質な情報源! 開業医が語る「開業のリアル」

お役立ち記事

2019年9月の発足から、1000名以上の会員を抱える医師限定の開業医・開業準備医師オンラインサロン「ドクターズチャート」。SNSを通じて徐々に広がりを見せる今注目のプラットフォームを運営する傍ら、現役の開業医としても活躍する、よいこはこいよ先生とMM先生に、開業時に立ちはだかる壁やその乗り越え方、電子カルテについてのお話を伺いました。

ドクターズチャート|開業医/開業準備医師オンラインサロン
https://doctorschart.co.jp/

Twitter名:よいこはこいよ@開業医サブノート@practitioner_11

内科開業医。開業役立ち情報「開業医サブノート」にて、労務、電子カルテ、雇用関連の失敗談・成功談を毎日ツイート。

Twitter名:MM@開業医による医院開業話・医師のキャリア@medpractitioner

耳鼻咽喉科開業医。「開業基礎講座」を毎日ツイート。音声プラットフォーム「voicy」でパーソナリティを務める。

開業医/開業準備医師オンラインサロンでは
どのようなことが話題にあがることが多いのでしょうか?

MM先生 圧倒的に多いのは電子カルテと労務に関する話題です。特に、電子カルテについては400以上のコメントが寄せられています。

よいこはこいよ先生 ドクターズチャートの入会時のアンケートを見ても、関心の高い事項のトップ3に常に電子カルテが入っています。開業時に電子カルテの導入を検討されている先生たちがそれほど多くいらっしゃるということです。

実際に入会された医師からは
電子カルテについて、どういったディスカッションがされているのでしょうか?

MM先生 「どのメーカーの電子カルテを導入しているのか」「オンプレ型、クラウド型のどちらがいいのか」「使いやすさはどうなのか」というところがほとんどです。

よいこはこいよ先生 多くの方が、同じ診療科の先輩開業医先生のご意見を参考にされています。単に機能面だけでなく、運用サポートの手厚さやカスタムのしやすさなどそれぞれの診療科に合ったものを探されている方が多いですね。

さまざまなトピックやニュースが集まる
ドクターズチャートの特色を教えてください。

MM先生 「ドクターズチャート」は、開業医・開業準備医師に限定したオープンチャット形式の情報交換サロンです。「ラウンドテーブルディスカッション」をコンセプトに、よいこはこいよ先生と共同で2019年9月にオープンしました。現在、900名以上(※2021年9月現在)の医師が在籍。チャットでの投稿は全員が匿名です。企業のインセンティブや広告もないので、どこにも忖度せずにリアルな情報交換ができます。

よいこはこいよ先生 現在のユーザーは、開業準備中が54.4%、開業済みが45.6%。年齢層は20代から50代と幅広い世代の医師が交流しています。相談やアドバイスにはチャットツール「Slack」を使用。「開業準備」「雑談」「コロナ対策」「アンケート」「助成金」などさまざまなチャンネルがあり、それぞれのテーマごとに毎日盛り上がっています。1投稿に対して平均5〜10のスレッドが立ち、1日に約120件のメッセージがやりとりされています。

開業医を目指すドクターが悩みを打ち明けられる場になっているのですね。

よいこはこいよ先生 ええ。リアルでは、医局が違ったり学年が違ったりする医師たちが、ここでは縦社会を気にせず匿名で議論を交わせる。それが保証されている環境だからこそ、どんなことでも安心して投稿ができます。さらには隔週でテーマを決めて、音声SNSアプリ「Clubhouse」でのディスカッションも開催しています。

なぜオンラインサロンをはじめようと思われたのでしょう。

MM先生 「リアルな情報が少なく、横の繋がりも乏しい開業医・開業準備医師の先生方にとって有益なコミュニティをつくりたい」という思いが以前からありました。開業を検討する医師の多くは、勤務医として働きながら準備を内密に進めます。これは業界特有の言い出しにくい環境のせいで、私自身もその一人でした。身近な人に相談できないため周りから情報を得るのが難しく、やっと情報に辿り着いても本当に正しいのかが判断できない。こうした情報を自由に意見交換ができる場が欲しいと思ってはじめたのが、Twitterでの発信でした。

最初はTwitterだったのですね。

MM先生 そうなんです。テーマがニッチすぎて最初は認知されていませんでしたが、Twitterを利用しているドクターは案外多く、そこから徐々に広がり、知り合った一人がよいこはこいよ先生でした。

Twitterでの活動が活発化してきた頃、オープンな場では話しにくい、さらにコアなテーマを語れる場として誕生したのが、忖度が必要ないクローズドのコミュニティ「ドクターズチャート」でした。サロンの告知をするとすぐに100名程度が集ました。

よいこはこいよ先生 机を囲んだ会議室での打ち合わせではなく、ソファに座ってのんびりしている時や雑談しているときのような、ラフな環境でこそ有用な情報交換が飛び交ったりしますよね。Twitterを始めた頃に出会ったのがMM先生でした。面識はありませんでしたが、自分と共通する発信をしている人だと興味を持ってコンタクトを取ったら意気投合。そこからの話は早かったですね。

情報量が多いと、
開業医の先生たちが逆に迷ってしまうことはないのでしょうか。

MM先生 これまでは情報量が少なすぎて、悩むフェーズにまで到達できない方がほとんどでした。なので「迷える余地ができた」というイメージです。SNSが登場する10年前は、限られた先輩から聞くしか方法がなく、しかもそれは偏った情報でした。

よいこはこいよ先生 税理士やコンサルタント、建築業者など誰に相談をするかさえわからず一人で試行錯誤して、それぞれが最初にコンタクトを取ったところからなんとなく開業の準備を始めるのが主流でしたよね。それがSNSの広がりとともに情報の取捨選択をできるようになりました。

MM先生 先日、自院にエコーを導入しようと思い、卸業者の方に相談したら約400万円の大型機種を勧められました。情報源がなければ、「オーバースペックだな」と思いつつその中から選ぶしかなかったことでしたが、オンラインサロンで相談すると200万円前後で往診にも使えるコンパクトな機種を教えてもらえたのです。それを卸業者に伝えて、初めて理想的な機種をご提案いただけました。これまでは一辺倒に受容していた専門的な話でも情報の探索を通じて、専門業者とより対等に話せるようになったと実感しています。

「電子カルテ」に関する相談を受けることはありますか。

よいこはこいよ先生 必ずきかれますね。「どこの電子カルテを使っているか」「実際には使いやすいのか」などのシンプルな質問が多い印象です。おそらく電子カルテに関する情報がかぎられるので、どのポイントについて聞いていいのかよくわからない状況なのだと思います。百聞は一見にしかずで、実際に見学に来られた先生は私が電子カルテを活用している姿をみて、この電子カルテは自分に合う合わないを直感で判断されている印象です。

判断材料のひとつは、検査や処方に対する病名チェックができるかどうかです。もうひとつは、自院の診療科目にその電子カルテが対応しているかです。具体的には皮膚科であればシェーマが書きやすいか、眼科であれば眼科特有の検査所見をスムーズに記入できるか、小児科であればワクチン接種歴が容易に管理できるかなどです。この2つの軸で検討されるとよいと思います。

先生方のクリニックでは、電子カルテをどのように使用されていますか。

MM先生 受付に3台、2部屋の診療室に1台ずつ、計5台導入しています。機種は、開業前に知り合った先生方と同じオンプレ型電子カルテです。同じ診療科の先生が問題なく使っている様子を見て導入を決めました。オペレーションについては全く自信がなかったので、サポートセンターにお任せしています。導入当初は、毎日のように電話をかけていましたね。

よいこはこいよ先生 当院では11台導入しています。機種はMM先生と同じオンプレ型電子カルテです。内科の先生が開発して作られている電子カルテを選びました。開業時にはオペレーションマニュアルを自作し、私自身が講師となりスタッフに電子カルテの運用方法を伝えました。

近年、主流になってきた「クラウド型電子カルテ」については
どのような印象をお持ちでしょう。

よいこはこいよ先生 クラウド型の圧倒的な強さは、バックアップの必要がないことです。万が一の大規模災害時にも大丈夫という安心感は、オンプレ型の利用者である私たちからすると羨ましい限りです。

MM先生 10年前は実体のない「クラウド」を信用できず不安がありました。時代が進むにつれてクラウド型が社内的にスタンダートになった今は、むしろ好感を持っています。若い世代の先生にとっては、オンプレ型と比べて初期費用も軽くハードルはより低いのではないでしょうか。

もし、新しくクリニックを開業するとなった場合
どのようなことを検討されますか。

よいこはこいよ先生 電子カルテに付随する「Web問診」や「予約システム」「キャッシュレス決済」などのサービス導入は必ず検討します。

MM先生 私もです。先日、サロン内でも「IT専門の人材を院内メンバーに入れたい」と検討されている先生がいらっしゃいました。これからの時代は、ここが重要なポイントかもしれません。システムありきで内装やレイアウトを考えて、病院づくりをする流れになるのでしょう。

こうして方針が考えられるのも、我々がリアルな情報を持っているからだと思います。全くわからなければ、きっと昔の自分と変わらず思考停止になっているはずです。あとから「こうすればよかった」という悩みは少なからず出てきますが、つながりのある場所でリアルな声を聞ければ、より良い開業が実現できそうです。