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2023年4月からオンライン資格確認が原則義務化。診療報酬や補助金の見直しも決定

お役立ち記事

オンライン資格確認とは

2021年10月に本格運用がスタートした「オンライン資格確認」とは、患者さんが加入している医療保険を確認する「資格確認」を、マイナンバーカードのICチップまたは健康保険証の記号番号等によりオンラインで資格情報の確認する仕組みです。

医療機関におけるオンライン資格確認の導入メリットとして、患者さんの資格確認が直ちに行えるため保険証が有効であるのか否かを即時に確認でき、レセプトの返戻を減らせること、保険証の情報をデータとして取得しレセコンに反映できるので窓口の入力の手間が削減できることが挙げられます。

医療機関におけるオンライン資格確認のメリット
出典:厚生労働省ホームページ「オンライン資格確認の導入について(医療機関・薬局、システムベンダ向け) 」
https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000663427.pdf

さらに、オンライン資格確認の導入によって社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険中央会とオンラインで常時接続されるようになります。
これにより、マイナンバーカードを用いて患者さん本人の同意を取得した上で医療機関側が薬剤情報や特定健診等情報を閲覧できるようになります。

厚生労働省はオンライン資格確認を医療DXの基盤と位置づけ、医療機関・薬局において診療情報を取得・活用することで質の高い医療を実施する体制を整えるべく、導入促進・利用促進に向けて様々な取り組みを行っています。

オンライン資格確認の普及状況

厚生労働省は中間目標として2022年9月末時点でおよそ5割の医療機関・薬局での導入を目指しており、最終的には2023年5月末には概ねすべての施設への導入を実現したいとしています。
しかし、2022年7月31日時点でのオンライン資格確認の普及状況を見てみると、オンライン資格確認に必要となる顔認証付きカードリーダー申込数は全体の61.5%、準備が完了している施設数は31.1%、実際にオンライン資格確認の運用を開始している施設は26.1%に留まっています。
2022年4月までの普及ペースで試算した場合の2022年9月末での導入率は38%と、中間目標に対して-12%で未達となる見通しとなります。

オンライン資格確認の普及状況
出典:厚生労働省ホームページ「中央社会保険医療協議会 総会(第527回)議事次第 個別改定項目について(総-8-4)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000974977.pdf

オンライン資格確認が2023年4月から原則義務化に

この状況を鑑みて、厚生労働省は2022年8月10日に開催した第527回中央社会保険医療協議会 総会において、「更なる対策」として医療機関・薬局でのオンライン資格確認を2023年4月以降は原則義務化することを決定しました。

同省はこの決定に合わせて、オンライン資格確認を利用する場合の診療報酬の見直しと、顔認証付きカードリーダー導入に係る費用の補助金を見直すことも決定となりました。これらの対策によって、オンライン資格確認の更なる普及拡大を目指すとしています。

なお、2022年12月23日に開催された、中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)において「医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務付けに係る経過措置」が公表されました。
2022年度末時点で以下のやむを得ない事情がある保険医療機関および薬局については、各事情に応じて期限付きの経過措置が設定されます。

医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務付けに係る経過措置
出典:厚生労働省ホームページ「個別改定項目についての補足説明資料(総ー6)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001029308.pdf

診療報酬上の評価の変更

オンライン資格確認の原則義務化に合わせて、以下の通り評価の廃止と新設も行われます。

オンライン資格確認等システムを通じた情報活用に係る現行の評価の廃止

「電子的保健医療情報活用加算」として設けられた下記の加算が廃止されます。

【医科】
マイナ保険証を利用する場合:7点(初診)4点(再診)
マイナ保険証を利用しない場合:3点(初診)

初診時等における診療情報取得・活用体制の充実に係る評価の新設

2022年10月から初診時に薬剤の種類・容量・投薬期間や特定健診情報等の確認のための取り組みによる診療の更なる質の向上に対しての評価が新設されます。
マイナ保険証を利用する場合は、診療時における患者さんの服薬情報等の確認作業が効率化される点を勘案し、患者さんの負担が小さくなる仕組みとなります。
上記に伴い「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」として、2022年10月より以下の加算が新設されます。

【医科】
マイナ保険証を利用する場合:2点(初診時)
マイナ保険証を利用しない場合:4点(初診時)

初診時等における診療情報取得・活用体制の充実に係る評価の新設
出典:厚生労働省ホームページ「中央社会保険医療協議会 総会(第527回)議事次第 個別改定項目について(総-12-2)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000975090.pdf

【追加情報】「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」への特例措置

2022年12月21日に行われた2023年度の予算案編成に関する折衝において、オンライン資格確認の導入・普及を促進するために「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」の評価の見直しを決定しました。
この決定により、マイナンバーカードを使用しない場合の初診時および再診時の加算について2023年4月~12月に限り以下の特例が適用されます。

【医科】
マイナ保険証を利用しない場合(初診時): 4点⇒6点
(新)マイナ保険証を利用しない場合(再診時): 2点(1月に1回)

「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」の評価の見直し
出典:厚生労働省ホームページ「個別改定項目についての補足説明資料(総ー6)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001029308.pdf

保険医療機関には「再診時における診療情報取得・活用体制の充実」が求められます。ご自身のクリニックが対応できているか、ぜひご確認ください。

再診時における診療情報取得・活用体制の充実
出典:厚生労働省ホームページ「個別改定項目についての補足説明資料(総ー6)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001029308.pdf

医療機関・薬局への補助の見直し

2022年6月7日から12月末までに顔認証付きカードリーダーを申し込むとともに、2023年2月末までにシステム事業者との契約を結んだ医療機関・薬局への補助内容が見直されます。
病院に関しては過半数以上が事業額の上限に達していることを鑑みて、今回の見直しでは補助上限額が引き上げとなります。診療所については導入に係る費用が実費補助されることになります。

2021年3月末までに顔認証付きカードリーダーを申し込んだ医療機関・薬局については上限額まで実費を補助する特例が適用されます。 また、補助内容変更前(2022年6月6日)にカードリーダーを申し込み、2022年6月7日から2023年1月末までに運用開始した施設については、変更前と変更後の差額が支給されます。

オンライン資格確認導入補助内容の見直し
出典:厚生労働省ホームページ「中央社会保険医療協議会 総会(第527回)議事次第 個別改定項目について(総-8-3)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000974976.pdf

医療DXの基盤となるオンライン資格確認を活用していく上で、医療機関の運用をより円滑にするレセコンおよび電子カルテ導入の必要性はより高まってくるでしょう。
さらに今回のオンライン資格確認が原則義務化により、導入するレセコン・電子カルテがオンライン資格確認に対応しているかがシステム導入時に必ず確認すべき要件となりました。

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